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渋谷区立松濤美術館 開館40周年記念
白井晟一入門

渋谷区松濤美術館 噴水上渡り廊下(設計:白井晟一)

渋谷区立松濤美術館「白井晟一入門」

1950年代〜80年代初頭まで活躍した建築家、白井晟一(しらいせいいち)。
京都高等工芸学校(現京都工芸繊維大学)卒業後、ドイツで哲学を学んだ後、義兄の画家、近藤浩一路(こんどうこういちろ)の自邸の設計を手掛けたことをきっかけに、独学で建築の道へと進んだ異色の経歴を持つ建築家です。

「親和銀行佐世保本店」にて日本建築学会賞、建築年鑑賞、毎日芸術賞、日本芸術院賞などを受賞。東京都内ではノアビル、松濤美術館など、現在でも各地に強い個性を放つ作品を残し、「哲学の建築家」などとも評されてきたということです。

左:ノアビル 右:松濤美術館階階段室
photo © Tsuguru Sato

昭和56(1981)年開館の渋谷区立松濤美術館では、40周年を記念して「白井晟一入門」という展覧会が開かれています。
期間は、一部展示替えを含め2部構成で、'21年10月から'22年1月まで。シンポジウムや講演会、トークセッションなどのイベントも同時開催されます。

  • 第1部/白井晟一クロニクル '21年10月23日(土)~12月12日(日)
  • 第2部/Back to 1981 建物公開 '22年1月4日(火)~1月30日(日)

展覧会では、初期の作品から晩年まで、当時の竣工写真を始め、実際の図面やスケッチ、図面を元に製作された建築模型のほか、「書」や、現在でも使用されている中央公論の装丁デザイン画など建築家とは別の側面も紹介しながら、白井晟一の全体像を追います。
'22年1月4日から開催される第2部「Back to 1981 建築公開」では、松濤美術館そのものに焦点をあて、職員の案内による館内建築ツアーも実施。普段は非公開の館長室や茶室も見られるようなので楽しみです。

図録:白井晟一入門
図録:白井晟一入門

また、松濤美術館では、今回の展覧会に際し図録を編集、「白井晟一入門」として出版しました。
2011年に刊行された「白井晟一の手と目(編者:白井原太/鹿島出版)」では、主に晟一氏が収集された骨董、そしてご自身が使われた品々の撮影を担当させていただきましたが、その写真の中から、3点*ほどこの図録に収蔵されました。
展覧会で展示されている豊富な資料が収められた、白井晟一の全体像を知る入門書として見応えのある一冊です。

  • 17世紀のペルガメント(羊皮紙全装)洋古書と、背景はキリストの物語が描かれたパッチワーク
  • アトリエNo5の夜景

写真上「白井晟一の手と目」「白井晟一入門」より
撮影:佐藤 嗣
左:17世紀のペルガメント(羊皮紙全装)洋古書と、背景はキリストの物語が描かれたパッチワーク
右:アトリエNo5(旧高山アトリエ/白井アトリエ 1952|中野区)の夜景
※掲載写真は、白井晟一建築研究所、オフィス・テレミートおよび鹿島出版会の許可なく転載・流用することを禁じます。

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