2 Aug. 2021
| 自由研究室 |
特別企画/京の伝統野菜 Vol.3 とうがらしの王様「万願寺とうがらし」
とうがらしの王様「万願寺とうがらし」
「とうがらし」だけど辛くない。
舞鶴生まれの甘とうがらし
京都府北部、舞鶴市郊外の万願寺地区が発祥の地。
「万願寺」というお寺はありませんが、謂(いわ)れとなったかもしれない「満願寺」というお寺が万願寺にあります。現在は、創建当初と違う場所のようですが、ご本尊の鎌倉時代作といわれる十一面観世音菩薩坐像が、舞鶴市の指定文化財となっている※1ということです。
万願寺とうがらしは、肉厚で柔らかく、苦味が少なく辛みのない「甘とうがらし」。
その歴史は、「伝統野菜の「伏見とうがらし」と日本海を経由して伝わったと思われる古いアジア系品種などとの自然交雑から生まれたのではないかと考えられてい※2」るそうです。
また近年、舞鶴市内で栽培されていた在来種の、その辛みを抑えた改良品種が「万願寺甘とう」という商品名で、「JA京都にのくに」管内で栽培されています。※3
万願寺とうがらしに含まれる栄養素には、ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、食物繊維をはじめ、ナトリウムの排出を促進するカリウムなどがあり※4、夏にピッタリの京野菜です。
出回り時期:5月下旬~10月下旬