| 自由研究室 |
巨木・巨樹シリーズ/File No.1 「賀恵淵の椎」
「賀恵淵の椎」クロニクル

「賀恵淵の椎」過去と現在
この木を見に来るのは、実は今回が初めてではありません。
「クロニクル」というタイトルを付けてしまうと少し大袈裟なのですが、多分、1995年前後、自分も歳をとってしまったな、と感慨深くなるほどの昔に、東京からバイクで、ドライブがてら見に来たことがあります。
今でこそ、根を痛めないためか木の周囲に柵がしてありますが、当時はもっとおおらかな感じで、木に登ったりすることもできました。
今回来て気がついたのは、少なくとも3本または4本の大枝がなくなっていること。
当時は正面から見ると、大ダコが8本の脚を広げたような、もっと異様で奇怪な、鬼気迫る、とも言えるかもしれませんが、枝とは呼べないような、普通の木の幹くらいある枝を何本も持つこの木を、驚きをもって見た記憶があります。
※古い写真(モノクロ写真)がありましたので、掲載しておきます。
数十年ぶりに、この巨木に会えるのを楽しみにしていましたが、数本の手足をなくしてしまった姿を見て、なんとも言えない気持ちになりました。
大枝が折れて人がケガをするリスクがあるから切ってしまったのかな?
街路樹と違い、人が常に通る場所でもないのに…
でも、枯れた大枝を切っていなければ、この木自体が弱ってしまうのかも…
それに大枝の重さで倒木の危険があったかもしれない…
樹木医ではないので、オペの真相は分かりません。でも新たに伸びる枝葉を見ていると、何度の災厄に遭いながらも、「賀恵淵の椎」は弱るどころか「まだまだやるぞ!」という勢いと気迫に満ちていて、そんな姿に、まさに畏敬の念を抱きました。
また、いつか、この木に会いに来ようと思います。
「がんばってね、かえじい。また来るね。」