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テレビの音も聴けるワイヤレススピーカーが欲しい!

ワイヤレススピーカーにステレオは必要なのか?

音に関心のある人なら、ワイヤレススピーカーがステレオに対応しているのか、という点が気になると思います。小型のスピーカーだけれどもステレオだったら音に広がりと立体感が出るのでは…と考えますね。
幾つか紹介したように、小型のモバイル系のワイヤレススピーカーでもステレオの製品はあります。ただ、AI搭載のスマートスピーカーも含めて、基本的にはモノラルの方が多いようです。

なぜでしょう?

色々スピーカーを試聴しているうちに、推測ですが、「ステレオである意味がない」とメーカーが考えているような気がしました。

2chのステレオは、左右にスピーカーが分かれていて、それぞれ微妙にズレた違う音を出しています。その中心にリスナーがいることで、3Dメガネのようですが…ステレオの立体的な音を感じることができます。つまりユーザーのリスニングポイントを選びます。また、左右のスピーカーがある程度離れていないと、左右の音が一体化してしまって立体感を感じにくくなります。

ワイヤレススピーカーに目を戻すと、一部のものを除いてモバイル性を重視しています。家の中では、リビング、キッチンやベッドルームなど、その時の気分で好きな場所に、もちろん外にも持って行けます。いつも同じ場所でじっくり聴くというわけではありません。何かをやりながら、または友人、家族と一緒にBGMとして音楽を聴くシーンも多いと思います。従って、どこにいるか分からないリスナーに向かって、リスニングポイントを選ぶステレオシステムはあまり意味がなく、それよりも、全体的に広がる音の方がメリットがありそうです。

また、小型スピーカーであるがために、ステレオだったとしても左右のスピーカーは、せいぜい数十センチほどしか離れていません。例えばステレオ対応のワイヤレスポータブルスピーカーSONY SRS-HG10なら横幅20cmです。そのため、非常にパーソナルなシーン、例えばタブレットでムービーを間近で見る、PCでひとりゲームをする、といったような時を除けば、ステレオのメリットである音の立体感を享受しにくく、必要性も低く思えます。

つまり、ステレオよりも、広がりのある音場をつくれる無指向性または全指向性のスピーカーの方が、幅広い「ながらリスニング」の用途に適している、ということが言えそうです。

全指向性とは言ってもモノラルスピーカーでは納得できないという人もいるかもしれません。そういう人は、複数台のスピーカー同士をペアリングできる機能を持つ製品もありますので、少々お金がかかりますが、2台、3台と買い足すという選択肢もあります。小型、モバイル、ワイヤレスという性能を生かし、複数台のスピーカーを使えば、音に包まれるような空間を演出することも可能になります。
例えば、Denon DSB250BTなら、同一のスピーカー2台で、ステレオに対応したペアリング(ステレオペアリング)が可能です。Bluetoothポータブルスピーカーの草分け的なメーカーUltimate Earsは、アプリを使って150台を超えるスピーカーを同時接続できるそうです。ただ、こうした使い方をする時は、ワイヤレスの通信範囲を確認しておいた方が良さそうです。

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