25 Jan. 2022
| 自由研究室 |
お天気マークの種類と見方
お天気マークの種類と見方
「明日の天気は?」「週末の天気は?」
なにかと気になるお天気。
テレビやネット、スマホのアプリなど、1日に何度も見たり聞いたり調べたりしている人も多いと思います。
そこで良く目にするのが、太陽、雲、傘、そして冬に登場する雪だるまなど、その日の天気をイラストで表現した「お天気マーク」です。
東京オリンピックでは「人間ピクトグラム」が話題になりましたが、トイレや非常口のサインでお馴染みのピクトグラム。「お天気マーク」も、天気を表すピクトグラムの一種と言えるかもしれません。
この「お天気マーク」、正式名というわけではなく、便宜的に「天気マーク」「天気アイコン」などと呼んでいるようです。
「天気記号」ではダメなのか、と思われる方もいるかもしれません。しかし、気象台などが、実際の観測をもとに、専門的な天気図上に記入するものが「天気記号」だそうなので、太陽のイラストは「天気記号」とは言えないのです。そこで、一般の人にも分かりやすい言葉で、ということから「お天気マーク」と呼んでいるようです。
天気予報はなぜ違う
ところで、見ていたテレビが流す天気予報と、手にしたスマホのアプリが表示する予報が違っていて、どちらを信じたら良いのか、と思ったことはありませんか。
気象庁のWebサイトによれば、天気予報は、気象庁長官の許可を得れば、誰でも一般利用者向けに予報を発表することができるそうです。但し、それには以下の条件があります。
- 気象予報士の国家資格を持つ人がいること
- 気象予報士が天気予報をすること
- 予報の基礎となる気象データや警報・注意報を入手すること
こうした理由で、同じ日の同じ場所の天気予報でも、どこからソースを得て発表しているのかで、内容が違うことがあるのです。
同じ天気でもマークは違う
お天気マークは「天気記号」のように、統一された規格のようなものはありません。天気予報の「許可事業者」が、それぞれの技術やデータ分析などから独自の天気を予報するように、いかに利用者に分かりやすく伝えられるか、お天気マークも各社それぞれ、知恵を絞り工夫を凝らして作っています。
何気なく見ているお天気マークですが、よくよく見てみると、そんな工夫の跡に気がつくこともあります。
それでは、少し変化球的な「雨」「雪」「曇り」を表すお天気マークを例に見てみます。
「雨」は「傘」で表現されることが多いですが、雲から雨が降っているようなイラストもあります。雨の日を想像してみると、全ての人が傘を差しているかと言えば、そうとは限らないので、「傘」より「雲から雨」のイラストの方が、雨マークとしては表現的に正確で、意味的にも正しい気がします。
同じようなことが「雪」を表現したイラストでも言えそうです。
「雪」は、気象庁も含めて「雪だるま」で表現されることが殆どですが、雪といっても「雪だるま」が作れるほど降らないこともあります。反対に豪雪地帯では、雪かきに追われて「雪だるま」どころではないかもしれません。従って「雪の結晶」のイラストの方が、これも表現的に正確で、意味的にも正しい気がします。
「傘」と「雪だるま」をフォローしておくと、人の感性に訴えやすく、伝えられる情報量も多そうだという点では、優っていると思います。
「傘」のイラストでは、今日は雨が降るから傘を忘れないように、と雨だけでなく傘のことまで想い起こさせるリマインド機能もあるかもしれません。「雪だるま」なら、雪の降り具合によって、例えば、倒れそうで辛そうな表情をしていれば、今日は本当に大変な日になりそうだと、記号的な雪の結晶がいくつも描かれているより、見ている人の感情に訴える説得力のある雪マークになりそうです。
合理的な表現なのか、情緒的な表現なのか、この辺りは各社の好みや考え方によって、そしてたぶん国によっても、同じ天気でもお天気マークが異なってきます。
「雲り」は、形が少しずつ違うものの、どこの事業者も「雲」のイラストなのですが、グレーの雲と、白い雲のイラストを使い分けている事業者がいました。
グレーの雲は、雨の可能性がある曇り、白い雲は、雨の可能性がない曇りを指すとのことです。聞けば納得。実にシンプルな表現ながら具体的で分かりやすい。
でも、その分かりやすさがどこまで利用者に伝わっているのでしょう。利用者の私たちも、知らないがために、少し損をしているかもしれません。
そこで、知っておけば、きっと役立つ、お天気マークの色々を更に紹介してみたいと思います。